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結論からいくと怖い映画は大しておもしろくなかったが関連したやつはおもしろかった。
まずは『コンジアム』。始ると日本語を喋るので字幕版に変えようとしたが(おれは読むのは超速いし読解力は人並み以上だが、聞くのがものすごく苦手。このあたりもあって洋画は全然OKなのだが吹き替え版と日本の映画は古典以外はほぼ観ない)、吹き替え版しかない。が、乗りかかった船なので我慢して観た。
モキュメンタリ―っぽく、韓国版ユーチューバー6人のチームが廃墟となっている精神病院を探検して皆殺しになる話だが、興味津々なところ(機材の使い方とか、いかにビュー数を稼ぐために仕込んだり、ビデオを構成したりとか)はあるものの、肝心なホラーとしては最後の3つ前くらいの部分を除くと別になんだこりゃという感じでいささか拍子抜けだった。
特にドラマツルギー的にだめだろうと思ったのは、一番可愛い看護士さん(当然、この人を主役にするのだろうと観ていた)が後半ほとんど出ずに(というのはユーチューバーとしては大した能力が無いからなわけだが)、いつの間にか殺されていることだった。が、考えてみたらおれがかわいいと思うかどうかと、インプレを稼げるかどうかは別だな(と、物語のメタ構造もドラマのうちなのだろう)。
次に『箪笥』を観た。妻によれば定評があるホラーらしい。
どうにも、「となりのトトロ」の5年後みたいな人物設定だなぁと思いながら観ているわけだが、観始めてすぐに、ポランスキーの『反撥』か? と思春期の少女の妄想話だなぁと感じてげんなりしたが、乗りかかった船なので最後まで観た。しかもなんか『君たちはどう生きるか』のようですらある(単に継母ものだからそう感じたのだろうが)。
最後まで観て、やはりとなりのトトロの5年後+反撥だなぁと(であれば、となりのトトロや反撥を見直したほうが良いし、見たこたないから悲しみよこんにちはを観たいなぁとか)しか感想がない。
つまらなかった。
最後に『Exit』、これはおもしろかった。
パニックもの+パルクール(というかボルタリング)なのだが、主人公がこのタイプの映画で途中で滑落死はありえないとわかっていても、見せ場の作り方がうまいし、最後に二人(主人公の無職青年と、大学時代の後輩(かって無職青年が告白して振られた))で手に手をとってパルクールしていくところはとても良い。
パニックの作り方が、猛毒ガスが徐々に下から上に昇ってくるので、8階建てビルから10階建てビルに飛び移って、10階建てビルから15階建てビルに飛び移って(というほど単純ではなく、防毒マスクをつけて地上を駆け抜けたりいろいろある)と、パルクールとパニックものを見事に組み合わせているのには感心した。
ただ、主人公の親類縁者の無能っぷり(ギャグ要素要員たち)がさすがにうざったいのが難点だが、ドラマ的には必要なのだろうからしょうがない。
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